にがりダイエットは幻!? 過剰摂取が引き起こす思わぬトラブル

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豆腐作りに欠かせない「にがり」。

このにがりがダイエットによいとされ、一部でブームになっていました。以前はあまり知られていなかったにがりですが、ダイエットをはじめとする健康志向の風潮により、売り上げを伸ばしています。

どんなダイエットにもいえることですが、極端な摂取はトラブルの元になります。今回はにがりダイエットによるトラブル事例と、トラブルにならないようにする上手な摂取の仕方についてご紹介します。


1.にがりダイエットってなに?

にがりダイエットとは、にがりを料理や飲み物などに入れて摂取するダイエット法のことです。テレビに取り上げられたことでブームに火がつき、雑誌でも紹介されるなど、当時は非常に人気がありました。

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にがりには、ダイエットに必要不可欠な基礎代謝を高めるマグネシウムが多く含まれています。

さらにマグネシウムは、便に水分を与えて柔らかくする効果もあるため、お通じもよくなるとされています。サプリメント感覚で手軽に摂取できることから、にがりダイエットがブームになった頃は多くの女性がこの方法を試しました。

しかし、にがりの過剰摂取による健康被害が多発。なかには死に至るケースもあり、独立行政法人国立健康・栄養研究所が「にがりで痩せられるという確実な根拠はない」と発表する事態に発展しました。

2.にがりダイエットによるトラブル事例

ここからは、にがりの過剰摂取で起こった事例や起こる可能性のあるトラブルをご紹介します。

2-1.下痢

にがりに豊富に含まれているマグネシウムは、前述したように便を柔らかくし、お通じを改善する効果があります。マグネシウムはこうした効果から医薬品の下剤としても使用されており、過剰摂取すると下痢を引き起こすことも。実際ににがりを下剤として使用して、健康被害に繋がった事例も報告されています。

にがりで痩せたように見えたとしても、下痢によって体内の水分が一時的に減っただけであり、健康的な痩身効果とはいえません。

2-2.高マグネシウム血症

にがりに含まれるマグネシウムは、体外に排出されやすい成分です。

健康な人の場合、必要以上の量は吸収されず、余分な分は尿や汗となって体の外に出ていきます。しかし、腎臓の機能に障害がある人の場合、マグネシウムを体外にうまく排出することができません。そのため、マグネシウムが血液の中に溜まって「高マグネシウム血症」という病気を引き起こす可能性があります。

高マグネシウム血症は立ちくらみや吐き気から始まり、重くなると昏睡状態や心停止に陥る危険な病気です。にがりだけでなく、マグネシウムを主成分とする医薬品でも起こる可能性があります。

そのため、酸化マグネシウム製剤を扱う製薬会社では、腎臓に障害を持つ人や高齢の人の使用は控えるように注意を呼びかけています。

2-4.急性塩化物中毒

2004年にある施設で、にがりの原液を飲んでしまった女性が死亡するという事件が起きました。この女性は便秘解消のために希釈したにがりを常用していましたが、手違いで原液を飲んで中毒症状を起こしたそうです。

また独立行政法人国民生活センターには、ペットボトル入りのにがりを清涼飲料水と間違えて飲んでしまい、急性塩化物中毒になったという相談も寄せられています。

原液などで多量のマグネシウムを一気に摂取すると、このような中毒症状を引き起こし、危篤状態になったり、死亡したりする危険性があります。

この事例はどちらも誤飲が原因です。特にペットボトルに入ったにがりは、ジュースや水と間違いやすいため、摂取量だけでなく、保管方法にも注意する必要があります。

3.にがりの上手な摂取方法

にがりのトラブルを防ぐには、にがりを正しく摂取することが大切です。そのためには、マグネシウムのコントロールが特に重要になります。ここからは、にがりの上手な摂取方法をご紹介します。

3-1.1日350mg以内に抑える

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、マグネシウムの目標量は特に設定されていません。しかし欧米諸国での報告から、健康に被害を及ぼさない量として、成人の場合は1日に350mgが上限とされています。

ただし、マグネシウムは不足しすぎてもいけません。不足すると骨粗鬆症や糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクが高まります。ほかの食品と合わせ、1日のマグネシウムの量が80mg~300mgほどになるようにしてください。

3-2.薄めて飲む

前述したように、にがりは原液で飲むと死亡することもあります。濃すぎても体に負担をかけるため、にがりを摂取する際にはできるだけ薄めて飲むようにしましょう。

100ccほどの水やジュースなら、にがりを入れる目安は2滴~3滴ほどです。濃すぎると感じる場合には、もう少し薄めてもかまいません。自分の体調に合わせて調整しましょう。

3-3.有機酸を含む果物と一緒に摂取する

にがりは有機酸を含む果物と一緒に摂取すると、よりミネラルの吸収を高めてくれます。

有機酸とは清涼感を出す成分のことで、クエン酸やリンゴ酸などがよく知られています。特にクエン酸にはミネラルの吸収を助ける働きがあり、実際にマグネシウムの吸収を比較した実験で、クエン酸を摂取したグループが最も吸収率がよかったという結果も出ています。

有機酸を豊富に含む果物は、ミカンやリンゴ、モモなどです。ほかにもメロンやイチゴ、バナナなど、代表的なほとんどの果物に含まれています。

3-4.食前に飲む

にがりは食事の前に飲むようにしましょう。にがりには糖の吸収を抑える力があるとされているため、食事の前に飲むことによって、食事に含まれる糖の吸収を緩やかにできます。

4.にがり以外でマグネシウムを摂る方法

マグネシウムはにがりだけに含まれるものではありません。以下に、にがり以外でマグネシウムを摂取できるものを挙げてみました。

4-1.硬水

水には軟水と硬水の2種類があります。

日本では1Lに含まれるカルシウムやマグネシウムの含有量が100mg未満であれば軟水、100mg以上であれば硬水に分類されます。つまり硬水には、マグネシウムが多量に含まれているということです。

日本の水は軟水が多いですが、ドイツやフランスではマグネシウムを豊富に含んだミネラルウォーターが販売されています。ヨーロッパではこういった硬水をダイエット目的で購入する人も多いです。

天然の硬水は、サプリメントなどの人工的なものより、健康的にマグネシウムを摂取できるでしょう。

4-2.魚介・海藻類

マグネシウムは、干しエビやするめなどの魚介類にも豊富に含まれています。ただし干物はマグネシウムだけでなく塩分も多いため、食べ過ぎには注意が必要です。

また、あおさや昆布といった海藻類もマグネシウムが豊富です。海藻類は水で戻せば量が増えるため、効果的にマグネシウムを摂取できます。

4-3.ナッツ類

アーモンドやカシューナッツ、ゴマなどのナッツ類も、マグネシウムを多く含む食品です。ただナッツ類は、多量に食べないと必要なマグネシウムを摂取することが難しいため、おやつなどの補助的な食品として考えておきましょう。

5.まとめ

にがりはマグネシウムを多量に摂取できますが、明確なダイエット効果は証明されていません。健康的なダイエットには、バランスの取れた食事と運動が大切です。「にがりを飲むから痩せられる」のではなく、あくまでダイエットのサポートとして考えて効果的に取り入れてみてください。

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