ファッションデザイナーを目指す人が知っておくべき4つのこと

ファッションデザイナーを目指す人が知っておくべき4つのこと

自分がデザインした洋服が街中のショーウィンドウを飾ったり、パリコレをはじめとする海外のファッションショーに出展したり…ファッションが好きな方にとって、デザイナーは憧れ度No.1といっても過言ではない花形職業。憧れを憧れのまま終わらせず、現実のものにするにはどうすればよいのでしょうか。デザイナーになる上で必要な専門技術と、それを手にするための方法、またデザイナーになった後のキャリアパスについてまとめてみました。

1.ファッションデザイナーになるための入口

何でもそうですが、漠然と「なりたいな」と考えていればなれるような甘い世界ではありません。ましてやファッションデザイナーは専門職。服づくりの知識・技能が習得できる学校あるいはそれに準じた環境に、まずは身を置くことが必須です。

もっとも王道と言えるのが、基礎的なスキルが体系的に身に付く学校で勉強すること。ただし、ファッションに関係のない学校を卒業していたり、社会人になってからデザイナーになりたいと思い始めた人に門戸が開かれていないかというと、決してそういう訳でもありません。大学卒業後、専門学校に入り直したり、アパレルメーカーにアルバイトとして転職、アシスタントからスタートし地道にスキルを磨いていく人もいます。

この章では、ファッションデザイナーになる上で求められる基礎的な知識・技能が取得できる場所を紹介していきます。

1-1.王道! 学校で学ぶ(専門学校・短大・大学など)

服飾系・被服系の専門学校や短期大学、大学に入学。専門的なカリキュラムを通じ、洋裁技術や型紙製作、コーディネート、ファッションの歴史などファッションデザインに関する基本的な知識と技術を体系的に学びます。卒業後はアパレルメーカーに就職し、アシスタントなどの経験を積みながらファッションデザイナーを目指します。なお多くの卒業生を輩出していたり、ファッション業界の各企業との「産学連携」を推進している学校であれば、多くの求人情報を得やすいため就職にも有利です。

1-2.習うより慣れろ! アパレルメーカーで経験を積む

アパレルメーカーに就職し、経験を積んでいきます。最初は先輩社員のアシスタントから始まり、実務を通じて知識や技術を体得していくいわゆる「下積み」生活です。その間も、コンクールやコンテストの情報はマメにチェックし自分の作品を積極的に応募する努力を忘れずに。見事入賞したり、自分の名前が業界に知れ渡るようになれば、デザイナーとして独立することも夢ではありません。

1-3.技術力証明に有利! 資格を取得する

ファッションデザイナーになるために必須となる資格はありません。ですがアパレルメーカーに就職する際、洋服製作の技術を証明できる資格はいくつかあります。たとえば(財)日本ファッション教育振興協会が所管する「洋裁技術検定」や「パターンメーキング技術検定」など。他には、同じく(財)日本ファッション教育振興協会が定める「ファッション色彩能力検定」、東京商工会議所が主催する「カラーコーディネーター検定試験」など色彩に関する資格があります。

1-4.地道にコツコツ…独学

デザインや縫製、パターンメイキング、色彩など、ファッションデザインに必要な知識・技能について書かれた本を購入し、地道に学んでいく道です。あわせて実践を繰り返すことで、現場で実際に使える技術となるようスキルを磨くことも重要です。また、これらと並行して、常に世の中のトレンドを把握しておきましょう。世の中で今何が求められ、どんな服が流行っているのかを知ることは、ファッションデザイナーにとって必須条件です。

1-5.ワザは見て盗むもの! 弟子入り

有名デザイナーや自分の好きなファッションブランドのドアを叩き、文字通り「入門」します。しかし実務経験のない初心者を雇うのは企業としてもリスクが大きいため、そもそも未経験者の求人自体少ないのがこの業界の現状。受け入れられるか否かはあなたの熱意次第と言っても過言ではありません。中には無償であることが条件だったり、多忙を極めるデザイナー本人からは直接教えてもらえないどころか、デザインとは一見関係のない、雑務のような仕事しか任されない日々が続くことも。それでもファッションデザイナーになりたいという情熱と、どんなに過酷な環境でも絶対にやり遂げてみせるという覚悟が必要です。

2.テクニックの上に成り立つ、必要不可欠な能力とは

洋服が好きなことは大前提。さらに縫製や型紙製作、色彩などの専門知識・技術も必須であるということは前の章で述べてきました。

しかしそれだけではファッションデザイナーにはなれません。魅力的なデザインを世の中に送り出すために必要な、テクニックの上に成り立つ能力とはどのようなものなのか。一つずつ紹介していきます。

2-1.「売れる」服をひらめく企画力

服づくりは企画から始まります。まず年齢や性別、タイプなどターゲットを設定。そのターゲット像に対し、どんなシーンで、どんな風に着てほしいのかといったテーマ性から、何の素材で、どのようなアイテムを生み出していくかといった要件を決定していきます。当然のことながら、服づくりは「売れること」を目的にしていますので、単なるひらめきではない、ターゲットの好みを的確に捉えた上での発想が重要。さらにそれを半年先あるいは1年先のシーズンごとに考案していく訳ですから、デザイナーは企画力を日々進化させていくことが求められます。

2-2.イメージを形にするデザイン力

どんなに最先端で独創的な服を思いついたとしても、それを目に見える絵や形に落とし込むことができなくてはデザイナーとは呼べません。デザイン力とは、まさにこの「イメージを具現化する力」のこと。ゆくゆくは自分のブランドの世界観を確立し、世の中に打ち出していく上でも不可欠なスキルとなってきます。現在活躍しているどの著名なデザイナーも、駆け出し時代にはこのデザイン画をそれこそ何千、何万通りもひたすら描くといった地道な鍛錬を重ねているはずです。

2-3.トレンドをキャッチアップする力

流行をキャッチする感性もデザイナーにとっては重要です。時代の空気を敏感に感じ取った上で、合わせるのか、それともあえて外すのか。トレンドも把握せず単に自分の好みを主張するだけでは市場に受け入れられません。ターゲットがどのような服を求めているのかを分析するセンスが必要なのです。

2-4.多くの人を動かすコミュニケーション力

デザインが固まったら、いよいよ製造工程に移ります。その際に求められるのが、コミュニケーション力。服の型づくりを担うパタンナーや製造工場のスタッフなど、製造工程に携わるあらゆる人に対し自分の考えや戦略を的確に伝える力が不可欠です。これは日々の生活における対人コミュニケーションを通じ、意思の疎通あるいは誤解を繰り返すことによって身に付けていくことができます。

3.ファッションデザイナーの種類とは

一口にファッションデザイナーといっても、素材やカテゴリごとに担当分野が細分化されています。また、独立して自分のブランドを立ち上げる人もいれば、アパレルメーカーに勤務し企業デザイナーとして活躍する人も。割合的には後者の方が圧倒的に多く、さらに独立デザイナーとして商業的に成功している人はほんの一握りです。ここでは主に企業デザイナーに焦点を当て、ファッションデザイナーの種類について紹介していきます。

3-1.こんなにあります、ファッションデザイナーの担当分野

ファッションデザイナーの担当分野には、素材別、アイテム別に次のような種類があります。

  • ・ニット:ニットというとウールを思い浮かべがちですが、綿やシルク、麻、レーヨン、ポリエステルなど素材はさまざま。また、ジャケットやブラウス、スカート、ワンピース、スーツ、コートなど昨今では幅広いアイテムに使われています。
  • ・布帛:ニットとは逆に、伸縮性のない織物を布帛と言います。デザイナー、パタンナー、裁断士、編み手というように何人もの手によって完成される分野です。
  • ・カット:カットアンドソーの略語で、ニット素材を裁断(カット)し、縫製(ソー)して作られる衣服の総称です。
  • ・その他服飾雑貨:これとは別に、雑貨や靴、アクセサリーなどのアイテムを専任するデザイナーもいます。

3-2.勤務先いろいろ、ファッションデザイナーの働き方

ファッションデザイナーの勤務先としてもっとも一般的なのが、アパレルメーカー。企業に属し、シーズンごとのテーマや方針に沿って自社ブランドの服づくりに携わります。平均年収は300万円~400万円ほどですが、これは正社員で入社した場合の相場。昨今は契約社員として採用する企業が多く、また入社後も販売員から始めそのブランドをよく知った上でようやくデザイナーの業務に就けるケースも少なくありません。

次に紹介する勤務先が、OEMメーカー。OEMとは、他のアパレルメーカーから委託され、そのブランド名で服を製造するメーカーのことです。よって企画も委託元ブランド側が行ない、OEMメーカーのデザイナーは発注された企画に基づくデザインから仕上がってきたサンプルのチェックまで、つまり製造工程のみを引き受けます。年収相場は350万円~500万円です。

続いては、デザイナーの弟子。いわゆる「付き人」的存在として、多忙なデザイナーの業務が少しでも円滑に進むための下働きから始めます。有名デザイナーであればあるほど弟子の数が多く、結果、兄弟子の手伝いとしてデザインとは直接関係のなさそうな仕事に奔走する日々が続くことも。高い給与や厚い待遇は望めず、修業の身という立場で採用された場合は特にその傾向が強いです。

4.ファッションデザイナーの「その先」にある、キャリアパス

これまで、ファッションデザイナーになるための方法について紹介してきました。では、晴れてファッションデザイナーになれたら、その後はどのような道があるのでしょうか。ファッションデザイナーのキャリアパスについても考えておきましょう。

4-1.チーフデザイナーなどスペシャリスト職

企業デザイナーとしてアパレルメーカーに勤務している人にとって、もっとも身近にあるのがこのチーフデザイナーというキャリアです。通常、ブランドはチーム体制が組まれていることが多く、そのデザインチームの長として活躍します。すなわちブランドの責任者。企業にもよりますが、早くて3~5年、平均で6~10年程度かかって就く人もいます。

4-2.MD(マーチャンダイザー)

MD(マーチャンダイザー)とは、わかりやすく言えばファッション業界の商品企画。マーケット分析に基づく素材開発に始まり、予算計画、価格設定、生産枚数に至るまで、服のコンセプト立案から店頭に並ぶまでの一連の戦略を担う存在です。言わば服づくりの司令塔であり、市場分析力、計数管理能力など多岐にわたるスキルが必要とされます。

MDの役割は、デザイナーはもちろん、パタンナーや生産管理、販売スタッフ、広報担当など自社商品に関わるスタッフ全体をコントロールすること。デザイナーとしての実績を充分に積み重ねた上で、他部署の実務を経験あるいは深く把握していないと的確な指示を出せず信頼される存在にはなれません。会社の方針と本人の努力にもよりますが、このキャリアに到達するには長い年月を要します。

4-3.ブランド立ち上げ、独立

多くのデザイナーにとっての夢とも言えるのが、自分のブランドを築き、フリーランスとして独立を果たすこと。実現するには、並大抵ではない努力と才能、そして運が必要です。ただし運は努力で引き寄せることもできます。また企業デザイナーとしてアパレルメーカーに勤務しながら、コンテストやコンクールに応募、入賞を果たすことで業界で名を馳せ、それが独立のきっかけとなることも。したがって、独立までに要する期間も人によって実にさまざまです。

5.まとめ

ファッションデザイナーになるために必要なことをまとめると、以下のようになります。

  • ・「ファッションが好き」という情熱
  • ・デザインや縫製、パターンメイキング、色彩などの専門知識・技能
  • ・時代の空気を読み、トレンドをキャッチアップする感性

加えてさらに大切なのは、ファッションデザイナーはゴールはなく、スタートであるという気概。ファッションを通じ、世界とどのように関わっていきたいのか。ファッションを志す人は多かれ少なかれこう思っているはずです。ファッションデザイナーになった後の自分の姿をイメージし、それに向かって努力し続ける人のみがこの世界で活躍できるのではないでしょうか。

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